Lサイズプリント②
- 2018.06.10
- プリントに関して
- プリント、縦横比、Lサイズ

実際にプリントしてみよう
写真屋さんに行きました
フィルムならお店の人に撮影済みフィルムを渡して「Lサイズで」と注文します。多くの方が、現像とプリントを申し込まれます。(ネガフィルムで現像だけというのは少ないです)大抵、どこのお店でも現像とプリントを申し込まれると「同時プリント」と言って、プリントの料金が安く設定されています。フィルムの場合は枚数にもよりますが、後で焼増しするより同時プリントの方がお得です。
デジタルの場合は、メディアカードを店頭の受付機に差し込み、プリントサイズをLにして必要な枚数を注文していただきます。
そこで受付伝票を受け取り、後は出来上がり時間を待って受け取りに行きます。以上が注文から受け取りまでの大雑把な流れです。
出来上がりを見てみると
さて、出来上がった写真を見てみると、写っているものは、注文した通りの物なのですが、実は注文した通りではないのです。何が違うのかというと、出来上がった写真はすべてが写っていないのです。
原因は縦:横比の違いによる
比較すると
Lサイズプリントは89mm x 127mmです。縦:横比は整数比にすると7:10、縦を1とすると横はおよそ1.43 1:1.43ということになります。
フィルムカメラは縦2、横3で、1:1.5になります。一眼レフカメラ、コンパクトカメラ共に同じです。。
デジタルの場合はちょっとややこしいのです。イメージセンサー(レンズを通った光を受けて電気信号に変える部品)の縦横比がそのまま画像の縦横比になりますが、デジタル一眼レフはフィルム写真のそれを受け継いで2:3、縦を1とすると1:1.5になります。(メーカーによっては3:4というのもあります)
コンパクトデジタルカメラの場合は、その多くが3:4です。縦を1とすると横は1.33になります。これについて詳しい話は別の機会で。
もうお分りですね。Lサイズプリントの縦横比、フィルムとデジタル一眼レフ、またコンパクトデジカメの比、全部違います。
こうなります
画像は比較を容易にするためあらかじめ加工したものを使っています。まず一眼レフで撮った画像(一部のデジタル一眼を除きます)
赤い枠線内がプリント範囲です。左右両端がプリントできる範囲から飛び出してしまい、ピンク部分はプリントされません。
コンパクトサイズデジカメで撮った場合
赤い枠線内がプリント範囲です。上下両端がプリントできる範囲から飛び出してしまい、ピンク部分はプリントされません。
ほぼ問題ない
好んですることではない
上下、左右方向で切れてしまう部分があるとしても、多くの場合困ることはありません。なぜなら、画面の端に切れたら困る大切なものが写っていることはほとんどないからです。何か特別な作画意図でもない限り、大切なものが端っこに来るような撮り方をする人はいないでしょう。
個別対応は?
フィルムカメラ、デジタル一眼とコンパクトデジカメ、それぞれに適したプリントサイズがあったら問題ないのに、と思われる方がいらっしゃるかもしれません。できないことではありません。ただそうなると、同じような大きさで89mm幅のプリントなのに長さの異なる3種のプリントが存在することになります。これって整理の都合上結構めんどくさいです。なので、両方の原版サイズのちょうど中間ってことで理解していただけたらいいかなって思います。
なお、コンパクトデジカメのサイズに対応したDSCサイズというのが存在します。多くは知られていませんが、どうしても全てが写っていなければならないとき、例えば工事写真などはDSCサイズにした方が良いかもしれません。プリントのサイズは、89mm x 119mmで、Lサイズより8mm短いです。
修正できます
でも、どうしても切れたら困るという場合もあるでしょう。そういう時は、プリントする時にプリント範囲の枠を上下、左右に移動することが可能ですので、一言声をかけていただいたときは修正しています。またお声かけがないときでも、切らない方がいいと判断した時はプリント枠の移動をしています。デジタルの場合、受付時お客様ご自身で調整していただける機器もあるようですが、当店の受付機が旧式ですので対応できていません。申し訳ないことです。
要約
全てプリントできなくて、一部が切れてしまうのは原版とプリントの縦横比が同じでないから
個別対応は可能、ただし、同じような大きさで長さの異なるプリントが存在するのは、ちよっと面倒