写ルンですの構造
- 2018.05.31
- フィルム写真

知らずにおく方が良い
中身を知りたいのはわかるが
撮影の終わった写ルンですは写真屋さんに持っていきますが、なかには「どんな中身になっているのだろう?」と気になっている人、いませんか?だからと言って分解などしない方がいいですよ。
写ルンです、別名「使い捨てカメラ」などと言われていますが、一度使ったらそれで終わりです。受け取った写ルンですは、写ルンですを軽く破壊してフィルムを取り出します。この時点で再利用できなくなります。
勝手に分解すると不都合が
パッケージには撮影がすんだらそのままプリントに出してくださいと書いてあります。勝手に分解したりすると以下の不都合があります。
- リサイクルできなくなる。筐体は粉砕して資源ごみへ、シャッターユニット、フラッシュライトユニットは取り出して再利用へ
- 下手に触ると、感電の危険性がある(フラッシュライト発光のため、蓄電コンデンサーがある)
フジフィルム 写ルンですリサイクルのページ
例外もあります
- ロモグラフィーの Simple Use Firm Camera という製品は「使い捨て」構造でありながら、フィルムの再装填が可能です。ただし、自己責任でというこが強調されています。
- 怪しい海外製品 実際にあった例です。パッケージは英語表記、写っていたのはインドかバングラディシュな感じで、フィルム取り出し口がビニールテープで塞がれていました。コダックの製品でしたが取り出したフィルムはコダックに非ず、どうやら一度現像に出されたものを再利用して販売したようでした。
構造は簡単
必要最低限
必要最低限どころか、撮影の時、絶対必要なレンズの絞り、シャッタースピードの調整すらできません。ピント合わせもできません。これで何故、そこそこの写真が撮れるかというと、カラーネガフィルムの特性と、レンズの特性によるところが大きいのです。むしろこの特性のおかげで商品として成り立っていると言って過言ではありません。
カラーネガフィルムの特性
フィルムと言ってもその種類は大きく分けてモノクロフィルム、カラーネガフィルム、リバーサルフィルム(ポジフィルム)かあります。一般消費者用になじみがあるのは、カラーネガフィルムです。モノクロ、リバーサルフィルムについてはデジタルが主流になってからは、ほとんどその存在さえ知られていないことでしょう。
ここではカラーネガフィルムのことしか話しませんが、このカラーネガフィルム、ミスに対する許容量が大きいのです。どういう事かというと、露出(フィルムにどれだけ光を当てるか)の決定は本来厳密であるべきなのですが、少々外してもミスを和らげてくれるのです。この許容量の大きさのおかげで、露出の調整がなくてもある程度の写りを保証してくれているのです。(実際はプリントにするときの調整がないと、その性能が発揮されたとは言えません)
レンズの特性
写ルンですのレンズは広角レンズです。レンズはおおよそ広角、標準、望遠、この3種類に分けられます。レンズには焦点距離というものがあって、この焦点距離とは、レンズと、そのレンズを通った光が正しく像を結ぶまでの距離のことをmm表示で表しています。人間の目はこの焦点距離で言うと50mm~55mm程度と言われています。焦点距離55mm前後のレンズが標準レンズと呼ばれ、人の目で見た状況に一番近い写りになります。
望遠レンズとは文字通り、遠くにあるものが近く、大きく写るレンズです。55mmより大きな数字になります。そして広角レンズは撮影すると近くにある物でも遠く、小さく写るレンズです。50mmより小さな数字になります。
レンズが広角になると、ただ物が小さくなるだけでなく広い範囲でピントが合いやすくなるのです。詳しい話は省きますが、写ルンですのレンズは、1mくらい手前から無限遠に至る広い範囲でピントが合うと思っていただいて結構です。なので、本来必要であるはずのピント調整もしなくてすみます。
要約
簡単に撮れることを第一にした製品です。撮影が終わったら写真屋さんへGO!
製品に興味がわいたら、ネットへGO!(但し、メーカーのページでは詳しい情報は得られません 草)
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